利用事例 ハイパースペクトルの利用

ハイパースペクトルとは

ハイパースペクトルセンサの最大の特徴は、高波長分解能を有し、対象物の性質・物性を示す反射スペクトルを広範囲の波長帯で連続的に得ることができることです。

植物 (9月の水稲) のスペクトルを例に、マルチスペクトルセンサとハイパースペクトルセンサとの反射スペクトルの違いを模式図 (右図) に示します。

マルチスペクトルセンサとしては ASTER (9バンド) を想定し、ハイパースペクトルセンサとしては HISUI (185バンド) を想定しています。

計測しない波長の部分が多いマルチスペクトルセンサと異なり、連続的に測定できるハイパースペクトルセンサでは、よりきめ細かで多彩な情報が取得できます。

9月の水稲のスペクトルを例とした場合のマルチスペクトルセンサ・ハイパースペクトルセンサの反射スペクトルの違い

地上にある物質は、それぞれ特徴的な反射スペクトルを示します。

岩石 (火成岩、変成岩、堆積岩)、土壌、植物、雪氷、人工物の反射スペクトルの例を右図上に示します。

このような地上の反射スペクトルの特徴を把握することにより、 地上の物質の情報を取得することが可能ですが、 ハイパースペクトルセンサはマルチスペクトルセンサに比べ、 詳細に地上の反射スペクトルを計測しますので、 地上の物質についてより確実に同定することが可能です。

特に資源探査においては、指標となる鉱物のスペクトルの違いを確実に把握することが重要です。

岩石 (火成岩、変成岩、堆積岩)、土壌、植物、雪氷、人工物の反射スペクトルの例

右図下に代表的な炭酸塩鉱物である Dolomite と Calcite のスペクトルを示します。

HISUIではスペクトルの吸収波長位置 (下向き矢印表記) を捉えることにより、どちらの鉱物であるか判定することができます。

代表的な炭酸塩鉱物である Dolomite と Calcite のスペクトル